どうでもいい事実
機動戦士ガンダムⅢという映画がある。
この映画は挿入歌が二つあって両方がエンディングみたいなものなんだけど、「ビギニング」という曲がking crimsonのルパート王子の目覚めっつー曲のパクリだって騒がれてた。
が、もうひとつの曲、「めぐりあい」のほうが実はひどい。
実はこの曲、イントロの部分が、元The Raspberriesのヴォーカル、Eric Carmenの75年のソロアルバム、「Eric Carmen」の一曲目、Sunriseのイントロと全く一緒なのだ。
んじゃあ実際に聞き比べてみよう。
sunriseの方は前半おっさんの語りが入ってるけどとりあえず飛ばしていただいて、曲の冒頭に注目していただきたい。
シンセのハーモニーが入り始めた途端完全に一致するベース音。短い時間だがお分かりいただけただろうか。
もちろん、ビギニングと違って曲のコード進行からすごい似てるってことはない。中身の歌はまったく別物である。
が、最初のイントロはキィが違うだけでピアノ、シンセ、ベース音が本家と全く一緒なのだ。コード進行が似てる、ならオマージュだと主張できるが、こうも一致していると疑いは免れようもない。れっきとした盗作である。
友人にエリックカルメンの音源を聞かせてもらったとき、「なんでめぐりあいが入ってんだろう」ときょとんとしてしまった。
クレジットをふくめて「めぐりあい」に「Sunrise」を引用したなどという記述は一切ない。ググっても誰も言及してない。というか誰も気づいてない?
…ここまで書いておいてあれなのだが、自分は盗作云々はどうでもいいと思っている。ビギニングにせよ、めぐりあいにせよ。パクリ元の要素を使ってはいるが、それだけで成立している曲ではない。
だからこれは、聞き手が感動できるかどうか、聞き手にゆるされるかということが最終的に問題になるだけの話なのだ。
何でこんなこと書こうと思ったかというと、ビギニングに対するクリムゾンキング信者の口撃の見苦しさに耐えかねて、「お前らパクリを非難するならこっちも責めろよ」と言いたくなったからだ。
アニメファンはクリムゾンなんぞ知らん。お前らがカルメンを知らず、ガンダムを知らず気付かなかったのと同じように。
そんなことは考えるだに、どーでもいいことなのだ。